知らないと損をする、建物の構造の違い~木造編②~
前回は木造建築物の長所と短所について
お話しいたしました。
今回は、木造建築物のなかでも、
在来工法とツーバイフォー工法の違いについてご説明いたします。
【在来工法】
柱、梁、筋交いにより構造物を構築する工法
☆長所
・間取りが比較的自由にできる
・増改築がしやすい
・通気性が高い
☆短所
・ツーバイフォーに比べると、熟練した技術が必要
・工期が長くなる
・断熱性が低い
【ツーバイフォー工法】(※枠組壁工法)
木材で組まれた枠組みに、構造用合板を打ち付けた床と壁により
構造物を構築する工法
☆長所
・高気密で高断熱
・施工が簡単で、高度な技術を必要としない
・工期が短くできる
☆短所
・結露しやすい
・間取りに制限が出る
・増改築に制限が出る
次回は、鉄骨造についてです。
知らないと損をする、建物の構造の違い~木造編①~
恐ろしいことに、ご自分の持っていらっしゃるアパマンの構造の種類をご存じない方が時々いらっしゃいます。
鉄筋コンクリート造だと思っていたら、鉄骨造だった・・・
鉄骨造だと思っていたら、木造だった・・・
なんてことになったら大変!でもこんなこと、実際にあるのです。
『あたりまえ』とお思いになられるかもしれませんが、今回からは少し建物の構造の違いについて書かせて頂きます。
※税務上の違いについては、ここでは省略します。(とても大事な事ですが・・・)
今回は木造について、長所と短所についてまとめてみました。
【木造の長所】
・熱伝導率が小さい(熱を伝えにくい)
・安価である
・現場での加工がしやすい
・増改築が比較的自由にできる
・木材は生産が可能
構造の違いによる暖かさの違いについては、私自身、昨年、鉄骨のアパートから木造の戸建賃貸に引っ越して、すぐに実感しました。
また、木造の場合、現場での加工がしやすいため、増改築にも比較的自由が利きます。
小規模な建築物の場合、建築費を安く抑えられるため木造を採用する事が多くなります。
それから、鉄やコンクリートと違い生産が可能なため、エコな構造とも言えます。
【木造の短所】
・火災に弱い
・変形しやすい(乾燥による収縮)
・腐朽しやすい
・白アリ被害にあう
・材料に個性がある(節・割れ・傷など)
木造は地震に弱いと勘違いされている方が多いのですが、きちんと施工すれば、数百年に一度保程発生する規模の地震の1.5倍の強さの力に対しても崩壊等しない耐力を持つことができます。(これを、耐震等級3といいます)
しかし、木造建築物は火災に弱い事は事実です。ですから、木造建築物は基本的に防火地域には建てる事が出来ません。
また、変形・腐朽・虫害・木材の癖については、木材の加工技術や施工技術の向上により、改善されています。
さて、木造には【在来工法】と【ツーバイフォー工法】と呼ばれる二つの工法がありますが、次回はその違いについてお話します。
旗竿地
今日は、埼玉県条例の第三条
旗竿地についてです。
建築物の敷地が地状部分のみによつて道路に接する場合においては
その路地状部分の幅員は、次の数値以上としなければならない。
路地状部分の長さ → 路地状部分の幅員
10m未満 → 2m
10m以上15m未満 → 2.5m
15m以上20m未満 → 3m
20m以上 → 4m
ただし、『安全上及び防火上支障がないもの』として規則で定める場合
においては、この限りでない。
この『安全上及び防火上支障がないもの』として定める基準は、
次にあげるものとする。
●建築基準法第52条及び第53条の規定について、「敷地面積」を
「敷地面積から路地上部分の面積を減じた面積」と読み替えて
適用した場合にこれらの規定に接触しない規模であること。
●主要用途は、一戸建ての住宅であること。
●外壁は防火構造で、軒裏の仕上げは不燃材料であること。
ということです。
一戸建ての住宅以外の用途の場合は、
上記の幅員規定にかかってくる可能性が大きいので
注意が必要です。
接道義務
建築時に気をつけたい事として
建物を建てる為には、その敷地に『接道義務』がある事を覚えておいてください。
原則、建物を建てるには敷地が道路(建築基準法上の)に2m以上
接していなければなりません。
これは、火災などがあった際の消火活動や避難などのためです。
また、例外として
周囲に広い空地がある場合など、火災時の消火活動や避難に支障がないとして
特定行政庁が許可すれば、道路に2m以上接していない土地にも
建物を建ててて良いことになっています。
上記が基本となりますが、地方自治体による条例で
接道義務を付加(厳しく)することができるため注意しなければなりません。
次回は、その例として埼玉県条例の『旗竿地』の接道長さについて取り上げたいと思います。