相続のツボ:孫への教育費の援助の差

こんにちは、田中です。

今年も受験のシーズンに入りました。受験を目指す家族がいると、年越しも祈願も入学祈願一色になるのではないでしょうか。

 

さて、財産を残す者からすれば、子どもにはなるべく平等にしたいと考えるものです。

ただ、孫にまでなるとなかなかそうはいかないものです。

私の子どもも祖父母から大学入学にあたり養育費の援助を受けていました。

きっと祖父母にしたらかわいい孫に教育費の援助をするのは、楽しみのひとつでもあるのでしょう。

しかし、孫によっては進学をせずに就職をして祖父母から教育費の援助をうけてない者もいます。

いざ相続が始まると、教育費の援助をうけているものと受けていないものとのトラブルが発生しています。

 

「特別受益」という言葉をご存知でしょうか。

相続人への生前の資金援助、例えば、結婚の際の持参金や大学の学費など、他の相続人がもらっていない場合などは民法上の「特別受益」とみなされることがあります。

特別受益を受けた相続人は「特別受益の持戻し」をする事になっています。

そして、持戻しの期間については制限が無く、何十年も前の特別受益でも該当しますので注意が必要です。

 

しかし、特別受益はあくまでも相続人が対象です。

そして、孫は通常、相続人ではないですし、しかも孫への教育費の援助は扶助義務の範囲内であり、贈与税もかからない。

 

なぜなら親子だけでなく、孫も直系血族にあたるので、扶養義務があるのです。

 

やはり、祖父母が孫の学費を負担するのは扶養義務の範囲内ですから、相続が発生したときには、特別受益の持戻しにあたらず、感情的な家族間の割り切れなさで終わってしまうケースが多いようです。