建築物の耐震基準

投稿日:2012年07月27日

『うちの古いアパート、耐震が心配なんだけど・・・』
『そろそろ建替え時ですか?』
このようなご質問を頂くことが時々ございます。

 

ご自分の賃貸物件の耐震についてのひとつの目安として
いつごろ建てられた建物であるか?があります。

昭和56年6月1日、建物の耐震基準について
建築基準法施行例の大改正が施行されました。

これは、昭和53年の宮城県沖地震をきっかけに
それまでの耐震基準が見直されたことが理由です。

このとき誕生した『新耐震設計基準』による建物は、阪神大震災においても
被害は少なかったとされています。

例えば、急耐震基準で建てられた建物のおよそ30%が大破以上の被害を受けたのですが
新体新基準で建てられた建物が大破したのは、数%にとどまっています。

ご自身の経営されている賃貸物件が
昭和56年5月末日までに建てられた建物であれば
念の為、一度耐震診断などをされてみてはいかがでしょうか?


よくわかる建築基準法 【道路の定義:その②】

投稿日:2012年07月20日

前回は、建築基準法でいう【道路】について詳しくご説明させていただきましたが

今回は、そのなかでも建築をする際に色々とかかわってくる道路の幅員(幅の事)について

特に4m未満の道路についてです。

 

【4m未満の道】

-法42条2項道路-(建築基準法 第42条2項)
建築基準法3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる
幅員4m(6m区域は6m)未満の道で、特定行政庁が指定したものは道路とみなす。

 

つまり、
昔から使っている道で、
特定行政庁(建築主事を置く市町村では市町村長、置かない市町村では都道府県知事)が
『これは道路です』と認めたものは、幅が狭くても道路として適用されます。

※よく、『2項道路』という呼び方をします。

ただし
その道路の両側に敷地がある場合は、その道路の中心線から2m(6m区域は3m)後退した線を
道路の境界線とみなします。

 

よく、売地の物件情報などに『セットバックあり』とありますがこの事です。

 

建替えなどをきっかけに、セットバックが生じて

今まで敷地として使っていた部分も道路になってしまうケースも少なくなく、

長年使っていた塀などの工作物を、壊さなければならない場合もあります。

 

地主様にとっては大変胸の痛む話しではありますが、

前面道路の幅員がきちんと取れることにより

救急車・消防車などの緊急車両もスムーズに通れるようになり

安全で美しい街並みづくりにはなくてはならない事だと思います

 

新築・建替えなどを検討されている方は

『まずは道路を確認』

と覚えておいてください。


よくわかる建築基準法 【道路の定義:その①】

投稿日:2012年07月13日

『不動産会社さんから、この土地には接道がないから建築ができませんと言われた』
『いつも使っている道路が目の前にあるのに、なぜ?』

このような質問を、遊休地をお持ちのお客様よりいただくことが
時々ございます

今日は、建築基準法でいう【道路】について詳しくご説明させていただきたいと思います

 

 

【道路は必ずしも道路ではない!?】

 

 

-道路の定義-(建築基準法 第42条)

「道路」とは、次のいずれかに該当する幅員4m以上のものをいう
※特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要として認めて
都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては6m以上のものをいう

①道路法による道路
国道・県道・市町村道など

②都市計画法・土地区画整理法・都市再開発法などの法律に基づく事業によって築造された道路

③建築基準法第3章の規定が適用される以前から存在する道路

④計画道路
道路法などの法律により新設又は変更の事業計画のある道路で
2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの

⑤位置指定道路
土地を建築物の敷地として利用するため、一定の基準に適合する道で
特定行政庁からの位置の指定を受けたもの

 

 

わかりましたでしょうか?

 

『うちの前の道路は4mもない』
『そうすると、この道路は道路であって道路ではないのか?』

 

いえ、そうとも言い切れません

次回は幅員4m未満の道路についてです